結婚するとパートナーの性格は本当に変わるのか?
「結婚して夫婦になったら、パートナーがすっかり変わってしまった…」。
こんな話を、あなたはこれまで何度も耳にしてきたのではないでしょうか。
あるいは、ご自身がそう感じているかもしれませんね。
変わったと感じる点は、日々の態度、性格、行動パターン、感情表現など、実にさまざまです。
そして、「こんな人だったとは思わなかった」と、否定的なニュアンスで語られることがほとんどです。
では、本当にあなたのパートナーは、結婚後に別人のように変わってしまったのでしょうか?

結婚後、パートナーが「変わった」と感じる本当の理由とは
Index
1.結婚後、短期間で人間はそう簡単には変われない
2.結婚後はパートナーの「素の姿」が現れる:幻からの脱却
3.真の関係性は「結婚後」から始まる
1.結婚後、短期間で人間はそう簡単には変われない
私は心理カウンセラーとして、人が短期間のうちに劇的に変わることは稀だと考えています。
では、なぜ「パートナーが変わってしまった」と感じるのでしょうか。
その真実は、パートナーが変わったのではなく、本来持っていた人間性や素の部分が、結婚後に遠慮なく表に出てきたと考える方がしっくりくるでしょう。
結婚前の二人の関係性と、夫婦になってからの関係性の違いを考えてみれば、その理由が理解できるはずです。
少し思い出してみてください。結婚する前の私たちは、相手に愛されたい、相手を失いたくないという気持ちから、自分よりもパートナーを優先して接していませんでしたか?

自分の気持ちを抑え、パートナーの意向に沿うことを優先する。
常に自分を出しすぎず、相手に気に入られるよう振る舞う。
これらは、結婚という願望を叶え、パートナーを失わないために無意識のうちに行っていた行動かもしれません。
しかし、いざ結婚して夫婦となると、パートナーを以前ほど優先する必要性を感じなくなることがあります。
なぜなら、「結婚」という目標を達成し、「パートナーを失うかもしれない」という恐れが薄れるからです。
その結果、結婚前のように自分を抑え、パートナーを優先する理由がなくなる。つまり、「本当の自分」が自然と表に出てくるようになるのです。

2.結婚後はパートナーの「素の姿」が現れる:幻からの脱却
結婚後、これまでパートナーを優先するために抑えられていた「素の自分」が姿を現します。
ですから、パートナーが「変わった」のではなく、「本来のパートナー」がそこにいると考える方が、より理にかなっているのではないでしょうか。
そう考えると、もしかしたら結婚前のパートナーは、ある意味「幻」だったのかもしれません。
この「幻」という側面に焦点を当ててみましょう。
結婚前の私たちは、恋愛初期の熱い気持ちから、パートナーを理想化して見てしまう傾向があります。
しかし、結婚後に落ち着き、恋愛感情の熱が冷めてくると、ようやく本来のパートナーを客観的に見始めることができるのです。

いずれにせよ、私たちが結婚前に付き合っていたパートナーは、少なからず「幻」の側面を含んでおり、ある意味では「実在していなかった」のかもしれません。
そして結婚して夫婦となって初めて、私たちは「本当のパートナー」に直面することになります。
私たちは結婚前、お互いのことを深く知っていたつもりでも、実はそうではなかったのかもしれません。
知っていたのは、自分を抑え、少し「演じていた」パートナーの姿だった可能性もあります。
そして、結婚して夫婦となることで、初めてパートナーの本当の人間性や性格に触れることになるのです。

3.真の関係性は「結婚後」から始まる
だからこそ、夫婦となって初めて、お互いが「お互いのこと」を真に知り合うと言えるでしょう。
したがって、結婚後に最も重要なことは、お互いの人間関係を「再構築」することです。
この再構築、つまり新たな関係性を築くためには、パートナーのことをさらに深く知ろうとする努力が不可欠です。
その鍵となるのが、やはりコミュニケーションです。
夫婦関係をさらに前進させるためにも、お互いがお互いのことに興味を持ち続け、積極的にコミュニケーションを図ることは非常に大切です。
結婚はゴールではなく、真のパートナーシップを築くためのスタートラインなのです。