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【恋愛】パートナーへの「万能感」と「親の役割」を求める問題

パートナーに「すべて」を求める心理、あなたは抱えていませんか?

恋愛感情が深まるにつれて、私たちはパートナーに「すべて」を期待してしまうことがあります。で
は、この「すべて」とは具体的に何を指すのでしょうか?

多くの場合、それは幼い頃に親に求めた役割を、無意識のうちにパートナーに期待している状態です。

Index
1.パートナーへの「万能感」(親の役割を求める期待)
2.パートナーへの「万能感」(親の役割を求める心理)
3.恋愛におけるパートナーへの万能感(「言わなくても分かってほしい」という期待)
4.パートナーは親ではない。共に人生を支え合い歩む人
5.パートナーが「万能」を満たし続ける関係は「共依存」

1.パートナーへの「万能感」(親の役割を求める期待)

パートナーに万能感を求めるということは、まるで幼児が親に抱くように、「この人は自分のすべてを満たしてくれる存在だ」と期待することに他なりません。

幼い子供にとって、親はまさに養い手であり、絶対的な存在です。
言葉にしなくてもすべてを察し、何も言わなくても満たしてくれる、そんな「神」のような存在として認識されます。

恋愛においても、一時的に「子供返り」してパートナーに甘える「退行現象」は起こり得ます。しかし、この退行現象とパートナーへの万能感を求めることは根本的に異なります。

退行現象は一時的な甘えであるのに対し、パートナーへの万能感の要求は、求める側の「本質」として永続的に現れることが多いからです。

しかし、パートナーに「過剰にすべてを満たしてくれること」を期待する、ましてや「何も言わなくても自分の思っていることを察して満たしてくれること」を期待する。
これは現実的に可能でしょうか?

残念ながら、ほとんどの場合、無理でしょう。
それにもかかわらず、中にはパートナーに過剰なまでに求め続ける人がいます。
では、このような人々は一体どのような心理を抱えているのでしょうか。

2.パートナーへの「万能感」(親の役割を求める心理)

私が考えるに、彼ら(彼女ら)は、幼少期に親から十分に満たしてもらえなかった経験を持つことが多いように思います。
それは、親からの関心、承認、そして愛情です。
どれほど子供が求めても、親は何らかの理由で、本当に子供が欲していたもの(自己存在の承認や愛)を満たしてあげることができなかったのです。

その結果、心が満たされないまま成長し、大人になっても、幼少期と同じように、親が与えてくれなかった承認や愛情を求め続けてしまうのです。

彼らの自己価値は「自分は親に愛されない、価値のない人間だ」と低く、その自己価値の低さから、「どうせ言っても無駄だ」と諦め、本当に欲しいものや必要なものを自己表現しない傾向があります。
心の奥底では「言っても誰も自分を満たしてくれない」、「もう傷つきたくない」と感じているのかもしれません。

しかし、人は心が満たされないまま生きていくことはできません。
彼ら(彼女ら)は、常に自分を満たしてくれる人を求め続けているのです。
そして、それが恋愛におけるパートナーへと向けられることになります。

3.恋愛におけるパートナーへの万能感(「言わなくても分かってほしい」という期待)

ようやく恋愛関係に入り、自分を満たしてくれるパートナーが見つかったとしても、彼らは自分の希望を明確に「こうしてほしい」、「あれが欲しい」、「こうしたい」とはっきりと表明しません。

そこには、幼少期と同じく「言っても無駄」という思いや、言葉にした結果、望むものが手に入らずに「傷つくこと」への恐れがあるのかもしれません。

それでも彼ら(彼女ら)は、「この満たされない気持ちを満たしてほしい」と強く期待しています。
そして、パートナーに親の役割を求め、その親と見立てたパートナーに「言わなくても分かってほしい」という万能感を期待するのです。自分の気持ちを察してほしい、と。

しかし、テレパシーでもない限り、パートナーが彼らの期待を正確に理解することは不困難です。
それでも自己主張することなく、自分が何を求めているか、察してほしいと期待し続ける彼ら(彼女ら)。
パートナーが彼らの期待に沿わない的外れなことをしたり、察してくれないと感じたりすると、失望と怒りから不機嫌になっていくのです。

その結果、パートナーもなぜ相手が不機嫌なのか分からず、自身も不機嫌になったり、相手の態度に怒りを感じたりすることになります。
そして、やがて怒りが頂点に達したパートナーは、「いい加減にしろ」と感情的に怒鳴ってしまうかもしれません。

すると彼ら(彼女ら)は、「それ見たことか」、「誰も自分のことなんて分かってくれない」と、まさに幼少期に親から満たされなかった悲しい感情を、ここに再現してしまうのです。

しかし、この結果を招いたのは、彼ら(彼女ら)自身が、自分の思い、希望、期待をパートナーにきちんと主張しなかったことに他なりません。
何も言わなくても察してくれるという過度な期待が、このすれ違いを生み出しているのです。

4.パートナーは親ではない。共に人生を支え合い歩む人

幼い頃、欲しくても満たされなかった気持ちは理解できます。
しかし、パートナーはあなたの親ではありません。
あなたの人生を共に歩み、共に支え合う存在なのです。

そのためには、お互いが協力し、支え合う必要があります。
あなたがパートナーに必要を満たしてもらうならば、あなたもパートナーの必要を満たすことが不可欠です。
これは、お互いが対等な関係性であることを意味しています。

対等な人間関係とは、自分の思っていることをきちんと主張し、同時にパートナーの思っていることもきちんと聞く、という相互理解によって成り立ちます。

パートナーに万能感を求め、親の役割を求めている間は、この対等な関係性には到達できません。
そして、やがては常に求められ続けるパートナーも、「自分は相手を満たす役割ばかりだ」と不満を抱き、関係を終わらせようとする可能性すらあるのです。

5.パートナーが「万能」を満たし続ける関係は「共依存」

もし、一方がパートナーに万能感を期待し、もう一方がその親の役割を果たし続け、相手の求めを満たし続ける関係が維持されているとすれば、それは「共依存」の関係です。

共依存の関係では、お互いが「相手に求めること」、「相手に求められること」を果たすことに専念し、自分自身の人生に専念していません。
相手に満たされた時に自己価値を感じ、相手を満たした時に自己価値を感じる、この一方通行の関係性は、自分の自己存在の価値を相手に委ねてしまっている状態です。

相手次第の共依存関係で、本当に幸せな人生を送ることができるでしょうか?
パートナーに過度な期待を抱いてしまう背景には、幼少期の経験が深く関わっているかもしれません。

しかし、そのことに気づき、自分の感情や欲求を健全な形で表現していくことが、真に対等で満たされた関係を築くための第一歩となるでしょう。

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