怒りの感情の複雑さ 悲しみから怒りへ

怒りとは、一次的な感情(先行感情)なのでしょうか。
それとも、二次的な感情(先行感情の後にわく感情)なのでしょうか。

一次的感情とは、例えば、喜びの感情等。
直接的に何かに反応して、即、湧いてくる感情(ポジティブ、ネガティブ含む)です。

それに比べて、二次的感情。
この感情には、先行感情があり、後からわいてくる感情。
怒りの感情も、二次的感情の側面が強いと思います。

(もちろん、可愛がっていたペットが病気になった。この例等は、悲しみの一次感情のみで、怒りへ転嫁することは稀でしょう)。

二次的感情とは、多くの場合、何らかの先行刺激があり、その刺激に、瞬間的、ダイレクトに反応しているのではなく、それ以前に他の感情(一次的感情)が先行した後、生じる感情ではないかと考えます。

しかし、多くの人は、怒りの感情を感じる時、その前の味わった、先行感情については忘れることが多いでしょう。
それは、二次的感情であり怒りのエネルギーがすさまじく、それ以前に抱いていた感情を忘れさせる力があるのです。

また、一次感情を味わっている時間が短すぎ、即、怒りの感情が生じてきた場合等は、怒りを感じている本人さえ、一次的感情、先行感情を意識出来ていないかもしれません。

そして、怒りの感情の先行感情は、その多くの場合、悲しみ、不安、心配の感情ではないでしょうか。

しかし、私たちは、これらの感情を感じる間もなく、怒りの感情に転化します。

例えば、恋愛中、パートナーから連絡がなかった。心配、不安、悲しみの感情を抱き続けますが、いずれは、なぜ、こんなに心配しなければと、彼の無頓着な行動に対する怒りの感情へと転化していくでしょう。
もしかしたら、この場合、心配、不安の感情を味わっていた時間は長いかもしれません。
しかし、怒りの感情は、これら一次的、先行的感情を忘れさせ、相手への怒りとして爆発するのです。

自分がここまで心配、悲しい思いをさせられ、追い込んだ相手への、心のバランスを取るために、怒りという、真逆の感情が強く生じているようにも感じます。

また、怒りの感情が生じる前には、外部からの衝撃を受けるということもあります。
衝撃も瞬間的な一次感情が多いと思います。
例えば、誰かが、後ろから「ワァッ」と大声を浴びせてきた場合、私たちは、一瞬、びくりとします。驚きます。瞬間的に恐怖を感じているかもしれません。

そして、その相手に対して、驚きから2次感情が生じて、怒りから大声で怒鳴り返すかもしれません。

ここにも、びっくりしたという感情(一次的感情)と、それに対する怒り(二次的感情)が、瞬間的に結びついているのです。
びっくりした、恐怖の感情との拮抗(バランス)を取るために、怒りが生じるのかもしれません。

さて、私たちの感情、怒りはとても強く、感情の取り扱いを間違うと、自分や他者を傷つけてしまう、破壊的エネルギーを伴う感情ともなり、その怒りの感情を味わう、感じる前には、瞬間的、もしくは、持続的に一次的な他の感情を味わい、味わい続けているであろうことを、ご認識ください。

怒りで我を忘れ、突っ走る前に、本当に自分が感じていた感情は何であったか。
怒りの前に、自分は何の感情を感じ続けていたのか。

一次感情、先行感情を思い出すと、気持ちが和らぐ時もあります。

怒りの原因を知ることで、自己理解も深まり、人間として成長も果たし、他者(一次感情をもたらした)を許すことにもつながるのではないでしょうか。