心理カウンセラーは理解者であるが味方ではない

心理カウンセラーについて誤解されている方が以外と多いのではと思う時があります。
それは、心理カウンセラーとは、ご相談者様にとって理解者ではあっても、味方ではないということです。

もし、心理カウンセラーがご相談者様の味方と思われているのでしたら、その考えは捨ててください。

心理カウンセラーとは、ご相談者様の抱えている問題を伺い、その問題解決のために主として存在しています。
したがって、ご相談者様のことを深く理解する必要があるのです。

しかし、ご相談者様のことを理解することに努める心理カウンセラーですが、味方ではないのです。
あくまでも、ご相談者と抱えている悩みを解決するための理解者です。

心理カウンセラーが味方と誤解される要因【同意と共感の曖昧さ】

心理カウンセラーはカウンセリングの展開においては、基本的に共感を主として、お話しを伺います。
否定することなく、お話しを伺う。
それは、ご相談者が話しやすいよう、ご相談者を理解するための基本なのです。

しかし、この心理カウンセラーの共感を、ご相談者様が、心理カウンセラーが同意していると勘違いされると、カウンセリング事態が訳の分からないものになってしまうことがあります。

もちろん、ご相談者様のお話しを心理カウンセラーが伺い、共感と同意、両方示す場合もあるでしょう。

それが妥当なものであれば、問題はないのですが。

例えば、「ご相談者が、誰かに復讐したいと」発言された場合。

共感の言葉として、「あなたは、それだけ辛い思いをされたのですから、復讐したいお気持ちになりますよね」。
これは心理カウンセラーからの共感の言葉ですが、ご相談者は、カウンセラーから復讐に対して、同意した、賛成してくれたと認識、誤解されるかもしれません。

したがって、心理カウンセラーは、共感はしているが、同意はしていないことを示す必要があるのです。

先の共感の言葉の後に、次の言葉を沿えることも大切でしょう。
「復讐したい気持ちは十分、分かりますが、絶対に実行しないでください」。

このように、気持ちは分かるけど、事態によっては、同意は出来ないという意を示す必要がある時もあるのです。

受容を大切にする心理カウンセリング。
その為、同意と共感に対する、曖昧さ、リスクが生じるのです。

心理カウンセラーの共感ばかりの話しの聴き方の恐ろしさ

さて、心理カウンセラーが共感ばかりの姿勢で話しを聴いていますと、ご相談者様は心理カウンセラーの賛同を得たと思い込み、復讐や、その相手に対する憎しみの感情等を、ますます強めることにもなりかねません。

また、直接、ご相談者様が憎んでいる相手に、「心理カウンセラーもお前が悪いことに同意している」等、憎んでいる相手に直接、言い放つかもしれません。
そうなると、心理カウンセラーも、当事者として、問題に巻き込まれてしまうのです。

これでは、問題を大きく、また、問題をこじらせ、何のためのカウンセリングか、意味を成しません。

ご相談者様に、心理カウンセラーが同意していると思わしてしまうのは、心理カウンセラーの責任です。
したがって、きちんと、心理カウンセラーとしての筋を通さなくてはならないのです。

心理カウンセラーは、ご相談者様の理解者であっても、味方になってはいけないのです。

常に、心理カウンセラーは冷静、中立した存在でなければなりません。

私は、心理カウンセラー、心理カウンセリングをこのように理解しています。

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