子育て中の母親が抱く「子どもへの嫉妬」の感情
大切な子育てだからこそ生まれる、複雑な感情との向き合い方
子育て中の若いお母さんたちの中から、「子どもが羨ましい」、「嫉妬してしまう」といった声を、カウンセリングの場や文献を通して耳にすることがあります。
これは、ご自身が子どもの頃、実の親から十分な養育を受けられなかったと感じているお母さんが、今、自分の子どもには同じ思いをさせまいと一生懸命子育てをする中で抱く感情です。
しかし、子育てという深く複雑なプロセスにおいて、こうした感情が芽生えることは、決して不思議なことではありません。

Index
1.子どもへの嫉妬は「子育てを頑張っている証」
2.無意識の「比較癖」と、その先へ進む力
1.子どもへの嫉妬は「子育てを頑張っている証」
もし、あなたが子どもに対して「羨ましい」、「嫉妬してしまう」という感情を抱いているとしても、その感情自体に「良い」、「悪い」という判断はありません。
むしろ、それはあなた自身の心からの大切なメッセージとして捉えてみてください。
私はこの感情を、お母さんが本当に一生懸命子育てをされているからこそ抱く感情だと理解しています。
考えてみてください。
あなたは、ご自身が実の親から健全な子育てをしてもらえなかったと感じている。
それなのに、今、母親として自分の子どもに惜しみなく愛情を注ぎ、子どものためにたくさんのことをしている。
一方で、自分は望むような親からの愛情を受けられなかった。
そのような状況の中で、「この子は大切に子育てしてもらえている。それが、なんだか羨ましいな」と、ふと、心の中で思ってしまう。
これは、精一杯、全力で子育てをしていなければ、決して抱かない感情なのではないでしょうか。

あなたが欲しくても手に入れることができなかったものを、今、自分の子どもにしてあげている。
これは本当に立派で、尊いことです。
しかし、その一方で、お母さん自身が子育てを通して子どもに対する嫉妬心を抱き、内心複雑な気持ちになってしまうのも、また非常によく分かります。
感情というものは、まるで空に浮かぶ雲のように、勝手に湧き上がり、流れて、そして消えていくものです。
その一時的な感情に囚われすぎないでください。誰
もが、一つのことに対して様々な感情を抱くものです。
あなたが、実の親にしてもらえなかったことまで含めて、立派な子育てをしているからこそ、子どもに対して「羨ましい」、「嫉妬」といった感情を持ってしまうのです。

2.無意識の「比較癖」と、その先へ進む力
私たちは何事に対しても、無意識のうちに比較をしてしまう「比較癖」を持っています。
例えば、自分自身の幼少期の状況と、今の子どもの状況を無意識に比較してしまう。
あるいは、実の親の子育てと、自分の子育てを比較してしまう。
こうした比較の結果として、「羨ましい」という気持ちや、時には「嫉妬」の感情が生じることがあります。
私たちの心に無意識に生じる比較癖に惑わされないでください。
「羨ましい」、「嫉妬」といった感情が心に立ち現れたとしても、そこに心を留めすぎることなく、前に進むことに意識を向けていきましょう。
この感情は、あなたが過去の経験を乗り越え、より良い子育てをしようと奮闘している証です。
自分を責める必要は全くありません。
あなたのその努力と愛情が、きっとお子さんの未来を豊かに育んでくれるでしょう。