親の養育批判追及のカウンセリングのリスク
受け賜われないカウンセリング:親の養育批判のみのカウンセリング
親の養育に関するお悩みは、多くの方が抱える非常にデリケートで深いテーマです。中には、ご自身の現在の生きづらさや苦しみが、親の養育に原因があると強く感じ、「親を批判すること」を主な目的としてカウンセリングを希望される方もいらっしゃいます。
しかし、当カウンセリングルームでは、親の批判のみを目的としたカウンセリングはお受けしておりません。
その背景には、いくつか重要な理由があります。
1.問題の本質からの「すり替え」になってしまう可能性があるため
カウンセリングの最も大切な目的は、ご相談者様が自身の生きづらさを解消し、より充実した未来を築くことにあります。
親への批判だけに終始してしまうと、ご自身の課題と向き合うことから目を背け、責任を他者に転嫁することになりかねません。
2.「今」と「未来」に焦点が当たらなくなってしまうため
過去の出来事や親の養育が、現在のあなたに影響を与えていることは十分に理解できます。
しかし、カウンセリングで真に重要なのは、過去を理解しつつも、現在の状況をどう乗り越え、未来をどう生きていくかに焦点を当てることです。
過去の批判に囚われすぎてしまうと、肝心な「今」そして「未来」への建設的な一歩が疎かになってしまいます。
健全なカウンセリング関係を維持できなくなるため
カウンセリングは、クライアントとカウンセラーの間に深い信頼関係があってこそ成り立ちます。
親に対する一方的な批判が続くと、カウンセラーがその批判に同調することを求められるような状況に陥りやすく、結果として健全な治療関係を築くことが難しくなってしまいます。
もちろん、私たちはご相談者様の抱える生きづらさや苦しみに真摯に向き合います。
その根底に親の養育が影響している可能性は十分に考慮し、必要であれば、その影響を探るサポートもいたします。
しかし、それはあなたの問題解決のための一つの側面であり、親を一方的に断罪したり、非難したりするためのものではないことをご理解ください。
もしあなたが「親の養育に問題があった」と感じ、それによってご自身が苦しんでいるのであれば、その苦しみをどう乗り越え、どうすればあなたがより良く生きられるようになるのかを一緒に考えていきませんか。
私たちカウンセラーは、あなたが過去に囚われることなく、ご自身の力で未来を切り開いていくためのサポートを心から願っています。
カウンセリングを通じて、あなたが本当に望む変化を手に入れるためにも、ご自身の課題に焦点を当て、前向きに取り組む姿勢が何よりも大切です。