友人がムスッ|何も話さず不快そうな顔をしている心理の様々
親しい友人と出かけた際、それまで笑顔だった友人のG子さんが、突然ムスッとしたり、話すのをやめたり、不快そうな顔を続けていたり、かと思えば、突然皆より先に足早に前に行ってしまったり…。
このように、態度が急変する知り合いや友人はあなたの周りにいますか?
あるいは、まさに自分にその傾向があると、ハッと気づかれた方もいらっしゃるかもしれません。
今まで楽しく、皆と仲良くしていたG子さんが、なぜ急に態度が芳しくないものに変わってしまったのでしょうか?

明らかに、何らかの内面、心の変化が起こり、それが表情や態度として表れていると考えられます。
しかし、周囲の方々は何が何だか分からず、不快な態度を取り続けるG子さんに、逆に不快を感じてしまっているのではないでしょうか。
さて、問題はG子さんがなぜ突然態度を変えてしまったのか、ということです。
今までは、皆とともに仲良くしていたのに、会話も弾んでおり、失礼な発言や不快にさせるような言動もなかったはずです。
考えられるのは、G子さんの内面の変化です。
では、何が内面の変化を引き起こすのか。原因と思われることは、次の3つのことではないでしょうか。

態度が変わる心の変化について
1.外部からの刺激に対して不快を感じた、または、不快を感じ続けている
私たちが外部の刺激に対して不快を感じる、または、不快を感じ続ける原因は次の2つです。
a)自分から見える範囲の人間行動が不愉快
人は、社会や人の集まる場所において、このように振る舞うべきだという自己の規範を持っていることが多々あります。
しかし、周囲の人々がその規範から逸脱した行動を取り続けると、その行為に対して不快を感じるものです。
自分が守っているルールに反しているのですから、当然厳しい目で彼らを見るようになります。
そして、見続ければ見続けるほど、不快指数は急上昇し、G子さんの内面は不快や怒りに圧倒されてしまいます。
その結果、周囲の友人への気配りをする余裕も忘れ、不快な態度を表出することが抑えられず、言葉少なく、ムスッとしてしまうのです。

b)周囲に対する注意過敏
人は、あること(自分が不快と感じるもの)に対して注意を向け続けると、そのことに対して注意過敏になり、過剰反応を起こす傾向があります。
そうなると、G子さんの感情は、不快さから心が動かず、無表情になる可能性があります。
G子さんの場合、何らかの自己基準に反する行為をしている人々から不快な反応を受け続け、やがてそれは、様々な事を見たり、聞いたり、感じたりすることに対して過敏になり、過剰な受容感覚が高まり、周囲に対して注意過敏の状態になっていることも考えられます。

過敏になると、G子さんの例で言えば、最初は自分の行動規範に合わない人に対して不快を感じ続けていたのでしょうが、内面の不快感が高まると、普段なら何とかやり過ごせるような外部の様々な環境反応にまで注意過敏になり、さらに過敏性を強化してしまうのです。
こうなると、G子さんにとって今の自分を取り巻く世界は、不快な刺激の連続となり、過敏に刺激を受け続けるG子さんにとっては、その場にいること自体が嫌になってしまい、態度が硬直化し、心を閉ざし、無表情でムスッとした状態になってしまうのです。
これは、様々な過剰な刺激を受け入れ続け、限界に達したG子さんの表出反応と言えるでしょう。

2.そもそもG子は何らかの理由で参加したくなかった
今回の皆の集まりに対して、G子さんはそもそも企画の時点から興味がなかった、参加したくなかった、嫌だったのかもしれません。
しかし、参加しないと今後無視されたり、仲間外れにされたりする心配から、嫌々参加している可能性もあります。
そもそも嫌々参加しているので、最初からテンションも低く、何とかその低さを誤魔化していても、その誤魔化し続けること自体に不快感と疲弊を感じ、「どうでもいいわ」という投げやりな気持ちになったのかもしれません。

3.突然の体調不良
人が今まで機嫌良くしていたのに、急に態度が変わる場合、体調不良も考えられます。
体調が悪くなると、笑顔を見せたり、話したりする余裕はなくなるでしょう。
不快な気持ちになり、友人と話す余裕がなくなった時の責任と対応
さて、いずれにせよ、外部からの刺激に不快を感じたり、体調不良であったりする場合、それは体験している本人にしか分かりません。
もし、あなたが外部の刺激に不快を感じ続け、気分が悪くなっているのであれば、我慢せずに、素直に今の心理状態を友人に相談し、伝えても良いかもしれません。
場所やコースを変えることも、一つの解決策となるでしょう。
また、そもそもその集まりに参加したくなかった場合は、当日であっても、「気分が乗らない」、「体調が悪い」などと連絡をして、参加しなかった方が良かったかもしれません。

理由も分からずに不快そうにされると、他の友人たちにもその不快な気持ちが伝染し、皆の楽しみを台無しにしてしまい、本当に次回以降、お誘いがなくなってしまう可能性もあります。
「参加したくない」、「行きたくない」といった正直な気持ちは、最初に伝えた方が、後々の友人関係のためにも良いのではないでしょうか。
そして、急な体調不良の場合は、すぐに周囲の友人に伝えましょう。
放っておくと、取り返しのつかない事態になるかもしれません。
決して我慢しないことです。
