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親からの二重メッセージ(ダブルバインド)が子どもの心に与える影響

子育てにおける親の「ダブルバインド」とは?

ダブルバインドという言葉をご存じでしょうか?
これは、相反する二つのメッセージによって心を縛り付けてしまうことを意味します。

もともと文化人類学者のベイトソンが提唱した概念で、簡単に言うと「言葉と行動(表情や声のトーンなど)が食い違っている状態」を指します。

例えば、親が子どもに「かわいいね」と優しい言葉をかけたとしても(言語メッセージ)、その声のトーンにトゲがあったり、顔が笑顔ではなく怒っていたりしたらどうでしょう(非言語メッセージ)。
言葉は優しいのに、態度が真逆。

子どもは「一体、お父さん(お母さん)は本当に何を伝えたいんだろう?」と混乱してしまいます。
「かわいいと思われているのか、それとも怒られているのか…?」と、どちらが本当の気持ちなのか分からなくなるのです。

これが「ダブルバインド」の一例です。

さらにこの「ダブルバインド」は、時間差で矛盾したメッセージが送られる場合にも当てはまります。

Index
1.親のダブルバインド・二重メッセージの具体的な例
2.ダブルバインドが子どもの心に与える問題

1.親のダブルバインド・二重メッセージの具体的な例

子どもに対するダブルバインドには、いくつか具体的なパターンがあります。

一つ目の例は、時間差でメッセージが矛盾するケースです。
例えば、子どもが「野球に行ってもいい?」と尋ね、親が一度は「いいよ」と許可したとします。
ところが、子どもがまさに家を出ようとした直前に「ダメだ、勉強しなさい!」と言ったり、あるいは試合から帰ってきた途端に「野球なんか行かなくていい!」と怒鳴ったりする。

このようなことをされると、子どもは「結局、親は何を言ってほしいんだ?」、「どっちが本心なんだ?」と戸惑い、親の気まぐれに振り回されていると感じてしまいます。

二つ目の例は、場所によって評価が異なるケースです。
家の中では「よくできたね」と子どもを褒める親が、外出して親戚などに会うと、子どもの目の前で「うちの子は本当に出来が悪くて…」などと話すことがあります。

親としては謙遜のつもりかもしれませんが、それを聞いた子どもはどんな気持ちになるでしょうか。
家の中と外で、自分への評価が真逆であることに、子どもは混乱し、傷つくかもしれません。

このように、親から相反する二重のメッセージを日々受け続けることは、子どもの心を深く縛り付け、様々な問題を引き起こす可能性があります。

2.ダブルバインドが子どもの心に与える問題

親から継続的にダブルバインドを受け続けた子どもは、何が正しいのか、自分に価値があるのかないのか、何が「普通」なのかが、全く分からなくなってしまうことがあります。

常に親の真意を探ろうとして、その視線や表情、行動を過剰に意識し、推測するようになります。
また、「どう振る舞えば親が納得してくれるのか」が分からなくなり、行動そのものをためらったり、停止させてしまったりすることもあります。

さらに成長するにつれて、他人の視線や表情を過剰に気にするようになり、「自分はどう思われているんだろう?」と不安を感じやすくなります。
自己肯定感が育たず、「自分とは何者なのか」が分からなくなる「自己不全感」に陥ることも少なくありません。

こうした経験は、自分の価値を他者の評価に委ねてしまう問題につながることがあります。
相手に気に入られようと、自分の本心を抑えて行動したり、相手を意識しすぎるあまり、自分自身を見失ってしまったりすることもあります。

また、親から安定した評価が得られないことは、「自分とは何か」という自己認識の形成を阻害し、青年期におけるアイデンティティの確立を困難にする可能性も考えられます。

もし、このような親からのダブルバインドの問題により、「自分に対する悩み」や「性格の悩み」を抱え、日々苦痛を感じていらっしゃる方がいれば、カウンセリングは有効な解決策となり得ます。

あなたの心を軽くするための第一歩として、ぜひ専門家にご相談ください。

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