素直さについて

素直とは何か

素直な人。
この言葉に対して、素直な人とは、どのような人だとイメージされますか?

新明解 国語辞典 三省堂によると

「人の言うことを、そのまま受け入れて、おとなしい様子」
と、定義されています。

私は今回の文章を、人とは素直な方が良いと書きたかったのですが、この定義を読むと、人とは素直である時も必要でありますが、素直さにも、様々な注意点が必要であると考えるに至りました。
特に下記4点については、素直さを考えるにおいて、考慮すべき点でしょう。

1 思考力の問題
2 自己犠牲と抑圧 相手を優先
3 あなたは素直ではないと怒る人の存在 他者支配欲
4 素直な態度・姿勢とは

1 思考力の問題

私たちは自分の人生、今後の自己の方向性を等、自分で考え、選択、実行していく権利があります。そして、そこには責任がついてきます。(選択責任)。

しかし、自分の人生、自分で決めると言っても、やはり、今後の人生、何をするか、どうするか、今の抱えている問題に対して、いかに対処するか等、悩みは尽きません。

1人で考えても堂々巡りで、なかなか決められない時もあるでしょう。
そのような時に、誰かに相談(アドバイザー、心理カウンセラー含む)することは大切なことです。

但し、問題は相談した後です。
アドバイザーは、アドバイザーなりに真剣に考え、最良と考えられる方法を提示されると思います。

その際、提示されたアドバイスを、実行する前に、自分の中で再度吟味してください。

素直が、「人の言うことを、そのまま受け入れて、おとなしい様子」。
であれば、他者のアドバイスを素直にそのまま聞き入れ、行動、実行することには不安を感じます。

なぜならば、それは、自分で考えた結果の行動ではないからです。
アドバイザーから、言われたことを、実行しているに過ぎません。
自分では何も思考していないのです。

しかし、素直さとは、人間関係を築くうえで最重要な時もあります。
例えば、会社入社時の新人社員。
右も左も分からず、何をして良いかも分からない。
このような時期は、先輩のアドバイス、指示に素直に従うこと。
素直に指示に従いながら、仕事を覚えていくこと。
このように、何も分からない時は、素直な姿勢が必要でしょう。

そして、素直な姿勢、態度を維持しつつも、分からないことについては、先輩の仕事の状況、状態等を見て、質問等していけば良いのです。

組織において、新人の素直さは、周囲の好感を持って、迎えられるのではないでしょうか。

しかし、話しを戻しますが、悩みの相談等においては、アドバイザーの意見を素直に即実行するのではなく、アドバイザーの意見を自分で再吟味、思考すること、行動化のイメージをすること。そして、実行可能と思えば、選択責任において、実行することが大切です。

おそらく、相談における素直な姿勢とは、アドバイザーの意見等を、素直な姿勢で聞くということまでであり、そのアドバイスを実行するか否かは、別問題となると思います。

そして、素直な姿勢で聞くということは、アドバイザーが述べたアドバイスが、自分の意と違がったアドバイス等においては、反抗的な態度は取らず、分からない点、納得のいかない点は率直に質問をする。
そして、アドバイザーの意見を受け取り、持ち帰る。
ここまでです。

素直な姿勢で聞くことと、アドバイザーのアドバイスをそのまま受け入れ、素直に実行することとは、質が違うのです。

素直さは大切ですが、他者の意見を素直に受け入れてばかりいては、自分で考えない為、思考力が鈍ってしまいます。
他者のアドバイス、意見を、実行することにおいては、アドバイザーの意見を自分で再吟味して、自分で考えることが重要なのです。

そうしなければ、人生の失敗を、アドバイスに従ったためと捉え、アドバイザー、意見を頂いた他者への責任と転嫁してしまい、人間性においても、進歩しないでしょう。

2 自己犠牲と抑圧 相手を優先

もし、あなたが誰からアドバイスを受け、「それは違うのでは」と内心思いながも、そのアドバイスを実行したとなると、そこには、自己の思い、意見、思考を無視した抑圧の問題が関係します。

あなたは、親身に相談に応じてくれ、アドバイスを頂いた方を裏切りたくない等の思いが強いのかもしれませんが、それは相手優先、自己犠牲の問題へと発展します。

もし、あなたが、アドバイスを頂いた方、アドバイザーの思い、機嫌を損ねるのではないか、今後の関係性まで、心配されたうえで、何か気のすすまないアドバイスに従うのであれば、それは、自己犠牲的行為、自分を大切にされておられない行為ですので、やめた方がいいでしょう。

自分が気のすすまないアドバイス、納得していないアドバイス、また、そのアドバイスに疑問等感じられる時は、率直にアトバイザー等に、質問してみることです。

あなたのことを真剣に考えてくれている方なら、きっと真摯的に、きちんと、あなたの意見を聞き、また、別の角度からアドバイス等されるでしょう。

しかし、もし、ここでアドバイザー、相談の相手が「あなたには素直さが足りない」等、怒り出すとすれば、それは、アドバイスを行っている、相手の問題であると、私は考えます。

3 あなたは素直ではないと怒る人 他者支配欲

誰かに、何かを相談を行い、その結果、どうも納得いかない、今の自分には、実行出来そうもないアドバイスを頂いた際は、素直な態度で、その思いを率直に表現することが大切です。

アドバイザーとは豊富な経験、知識をお持ちでしょうが、決して、相談をする方の上に立つ存在ではありません。
むしろ、一緒に考えくれる、心強い同志のようなものです。

アドバイザー、アドバイスを頂ける方とあなたは、対等な立場、人間関係なのです。
もちろん、アドバイスを頂く、お知恵を拝借するのですから、相手に対する敬意は必要ですが、しもべになる必要はありません。

アドバイザーに対して、あなたが疑問点等率直に述べたことに対して、アドバイザーが怒り出す、非難しはじめるとすれば、それは、あなたを下と見ている証拠。

そこには、アドバイザーの傲慢と、他者支配欲を見ることが出来ます。

このような時は、その、アドバイザーとは縁を断つことです。
自分の凄さを証明したいだけに、立ち位置を利用して、アドバイスを行っているとしか思えません。

あなたが、アドバイザー、アドバイスを頂く方から、支配性を感じたら、以降、会わないでおきましょう。

これは、素直、云々の問題ではなく、自分の人生、他者に支配されない為に、大切なことなのです。

素直さ。
素直な心は大切です。

しかし、それは、誰かの言いなりになる事ではないのです。

4 素直な態度・姿勢とは

私達は対人関係、人間関係において、基本的に分からないことは、誰かに相談、アドバイス等を頂くことが多々あると思います。

素直な態度・姿勢とは何かを考えると

アドバイザーのアドバイスや、仕事等指導、教えて頂ける方の話しを、真摯に真剣に聞くこと。
(これは、アドバイザー等も真剣に考え、話しているのですから、相手に対して、敬意を払う意においても、当然でしょう)。

そして、分からないこと、納得出来ないこと等は、率直に敬語等を用いてたずねること。
この際、自分の意と違う等、反感を感じても、反抗的な姿勢にならず、ひねくれた姿勢を取らず、言語、非言語共に、丁寧な姿勢を保つことです。

私の思う素直さとは、国語辞典の、「人の言うことを、そのまま受け入れて、おとなしい様子」の定義ではなく。

相手を尊重する姿勢を保ち、謙虚な姿勢で接すること。

しかし、アドバイスを得た後の、実際の意思決定等においては、頂いたアドバイス等も考慮のうえ、自己の責任において決定すること。
無責任に他者のアドバイス、意見に従い、失敗した時、責任転嫁をすることとは違います。

また、支配欲の強い相手には警戒を怠らず、距離を取ることも大切です。

相手を尊重しながらも、一番大切なことは、自分を尊重すること。
自分の思いに従うこと。
これが、素直さではないでしょうか。