人を悪く決めつめる・軽蔑侮蔑の心理

人が人のことを決めつける。
この事象は、現実によくあることだと思います。

「悪く決めつける」とは、相手の事情、人柄、能力、理念も理解せず、相手のことをよく知らないにも関わらず、相手のことを、自分より下、能力が劣る等、相手を軽視、バカにしたような、軽蔑、侮蔑的な態度、心理が決めつけの大半だと思います。

それに対して、相手を「認める」という行為は、相手のことをよく知ったうえで、主に自分と対等、気が合う、自分よりある事柄に関しては能力があると、尊敬の意さえ含む、相手に対する評価です。

さて、「悪く決めつる」という判断、相手(他者)を軽蔑、侮蔑、見下すような評価は、なぜ、行われるのでしょうか。

人を悪く決めつけてしまう心理的要因

Index
1.対話不足
2.思い込み
3.許容出来ない価値観
4.相手に抱く嫌悪感・嫉妬・敵意

1.対話不足

人を悪く決めつける要因としては、対話不足、会話、コミュニケーション不足等、相手のことをよく知らないのに、自己の勝手な推測に基づき、相手の能力、性格等を決めつけてしまう場合が多々あると思います。

でも、その、対話不足、会話、コミュニケーション不足をもたらしている要因はいったい、何でしょうか。

考えられることの1つとして、相手に抱く、何らかのネガティブな気持ち、感情が、その相手と話したくない、関わりたくない、理解もしたくない、という感情感覚が強く内包されているのではないでしょうか。

そして、相手に抱くネガティブな気持ち(軽蔑、侮蔑)は、以下にあげる、3項目が大きく影響しているのではないでしょうか。

2.思い込み

人とは不思議なもので、相手を見た瞬間、相手の人相、振る舞い等より、その人の性格等、良きにしろ、悪きにしろ、客観的判断を伴わず、主観的に思い込んでしまうところがあります。

良い感じの思い込みであれば、問題ないのですが、一瞬の見た目の印象から悪い思い込みを抱き、相手を悪く決めつけてしまうこともあるでしょう。

話し方、見た目、最初の印象は、相手を決めつけることに大いに影響します。

(しかし、この判断基準は自己の感覚的なものであると認識してください。もちろん、企業の面接のプロは一瞬で分かると豪語されるかもしれませんが)。

一例として、企業の採用面接。
最初の一瞬、または、数分で採否が決まると言われています。
最初に悪い印象を与えてしまうと、面施の後半にどれだけ頑張っても、印象は覆らない、決めつけられた印象は覆らないないという説です。

企業の面接以外、普段の私たちは、初対面時は否定的側面から人を判断する傾向があるようです。

(否定的側面から相手を判断する傾向は、自己中心性、傲慢、または、相手が自分に危害を加える者でないか、自己安全性の確保の心理によるものと考えられます)。

全ては、相手をよく知らないための、思い込みに過ぎない可能性が高いのですが・・・。

3.許容出来ない価値観

対話、コミュニケーションを図っても、分かり合えない相手とはいるものです。
人は何かと、相手を判断したがる傾向のあるもの。
(仲間、敵、どうでもいい人等)

分かり合えないとは、相手との価値観の相違が大きく影響するでしょう。
価値観を共有出来ない、納得出来ないと、人はその相手に対してネガティブ(軽蔑、侮蔑的)な判断を下し、相手を見下したような決めつけを行うものです。

本当は、様々な価値観があっていい。
思想の自由。
違いは違いであり、間違いではない。

他者に対する寛容性と客観性があれば、自己との価値観の相違から、相手を見下すような決めつけは行われないはずなのですが。

もちろん、理解出来ない相手ですから、親しくなることは不可能でしょうが。
特段、軽蔑、侮蔑することもなく、適度な距離感を大切にすれば良いだけと思いますが。

4.相手に抱く嫌悪感・嫉妬・敵意

自分が相手に対して、嫌悪感を持っていると、その嫌悪感の強さから、相手のことを根拠もなく、ネガティブな判断(軽蔑、侮蔑的)を行い、「あの人は、〇〇な人」等、勝手に決めつけてしまいます。

なぜ、嫌悪感を抱くのかは、フィーリング、感覚、価値観、見た目等、様々です。

そして、人は嫌悪感を抱く人とは、話すこともなく、近寄りたくもないため、かつ、相手に抱く軽蔑、侮蔑、敵意から、根拠のない、決めつけを行い、相手を見下して、心の満足を得ようとします。

また、自分より優秀な人を見ると、その人を認めるどころか、嫉妬から、相手の欠点を探し出し、欠点のみを強く認識、悪い方に決めつける時も多々あるでしょう。

嫉妬、敵意のもとは、自己の劣等感であり、相手を悪く評価、決めつけを行い、自己の優越性を保ち、心のバランスを取っている可能性があることを、忘れないでください。

嫌悪感、嫉妬、ともに敵意の現れでもあります。
敵意は相手を悪い方へ、ネガティブ(軽蔑、侮蔑)な評価の決めつけとなりますので、注意が必要です。

なぜなら、これらの問題は、あなた自身の問題(劣等感、自分勝手な優越性を求める)を相手に転嫁しているのですから。

自分を見つめ直す、心理カウンセリングも有効かもしれません。

さて、勝手に人を悪く決めつける人、その、心理について書いてきました。

決めつけるのは自由ですが、絶対的な注意点として、その決めつけた内容(主に悪口)を、周囲に吹聴しないことです。

なぜなら、周囲の人は、あなたの決めつけ、判断とは、別の視点で相手を評価しているかもしれません。

逆に、自分が決めつけた決めつけ、悪口を吹聴してまわり、自分の人間性、評価を下げないように注意しましょう。

決めつける思考、感情はコントロール出来ないとしても、口に出す、出さないの行動は、コントロール出来るのです。

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