会社組織等において頼めない・頼み事の出来ない人の心理

私たちは自分以外の他の人達と、同じ場所で一緒に活動することが多々あります。
例えば、企業等で働くと、常に同じ部署で、同じ人と日々、顔を突き合わせながら働くことも多いでしょう。

同じ部署で働く意味は、共有する目標を達成するために、ともに業務、仕事を遂行します。

組織の業務、仕事の遂行においては、業務量の多い人、少しすくない人等、必ず、仕事量、業務量のバラツキも生じるでしょう。

そうなると、職員同士が応援し合い、業務を出来る範囲で分かち合い、組織全体で業務を円滑に進めるということが必要となります。

この時、業務量過多に陥っている人が、主体的に自分の仕事を他職員に手伝って欲しい、実際に「頼む」という行為、「お願い」をして、他職員の応援を得て、自分の仕事、業務の負担を軽減してもらうことが必要となってくるのですが

人によっては、この、「頼む」ということが出来ない、心の事情等があります。

なぜ、「頼む」、「お願い」が出来ないのか、その心理に書きたいと思います。

頼み事の出来ない人の心理背景の様々

Index
1.自分には人に頼む価値はないと思っている
2.断られることが恐ろしい
3.断る人の気持ちまで考えてしまう(迷惑ではないか)
4.攻める完璧主義・協調性がない
5.頼むことを知らない・頼まれたくない
6.皆忙しすぎて頼むことが出来ない

1.自分には人に頼む価値はないと思っている

自分に価値がないと思っている人は、自分を大切に出来ず、また、価値のない自分が人に頼み事をする等、とんでもないと思い込まれていることが多いようです。

しかし、価値の人のない人などいるのでしょうか?
自分の良いところ、長所を認識すれば、自分にも価値があると思えるはずですが、自己肯定感の問題なのか、自分の価値を自分で否定してします。

結局のところ、価値のない自分が人に頼み事をするなど、おこがましいとなり、仕事等を抱えこんでしまうのです。

その結果、その人の仕事は遅れ、全体の業務推進にも影響が及び、上司から怒られたり等、ますます自分が委縮してしまい、自己価値も低下する悪循環に陥ってしまうのです。

2.断られることが恐ろしい

断られる。
今の人は断られることを非常に恐れる傾向があります。

それは、断られる=嫌われると、解釈されるからです。

嫌われることを恐れているのです。

しかし、頼みごとを断る事情は相手の事情であり、あなたの問題や責任ではないと思います。

また、断られることが、嫌われると短絡的に結び付けないことです。
断られるとは嫌われること。
その根拠は何ですか?

3.断る人の気持ちまで考えてしまう(迷惑ではないか)

他者の気持ちに敏感な人は、次のように感じられることもあります。
頼み事を断る人の気持ちを。

それは、断る人も、申し訳なさでいっぱいで、断っているのではないか、断る人に余計な気を遣わせ、もしくは、断ることに罪悪感さえ抱いておられるのではないか。

想像力と感性の豊かさからの思いですが、本当に頼み事を断った方が、罪悪感を抱いているかどうかは、分かりません。

いずれにせよ、頼み事をして断った方には、断る事情があったのだと、シンプルに考えた方が楽です。

あなたが、気を遣い過ぎ頼み事が出来ないとなると、結局、自分が業務過多で辛い思いをするだけです。

相手の気持ちを考えることは素晴らしいことですが、それは、想像の域を出ないこともあることを認識しましょう。

また、同様に、頼めない人の心理として、頼み事をすると、相手に迷惑がかかると思われている方もおられるでしょう。
これも、想像の域を出ません。

4.攻める完璧主義・協調性がない

完璧主義の人は、任された仕事、業務等は、すべて自分で行わなければならないと思い込まれていることが多いです。

理由は完璧主義だから。
任されたことは自分1人で、100%、ミスなく完遂する。
これが完璧主義です。

したがって他者に頼み事をする等、ありえないのです。
なぜなら、他者に頼んでミスをされたら、自分の面目が丸つぶれになると思い込んでいるからです。

しかし、何事も完璧主義のもと1人で抱え込んでしまっていては、職場全体の進捗度に影響しかねず、自分が任された仕事は自分が完遂する姿勢は尊重いたしますが、あまりにも度が過ぎると、周囲からは協調性のない人と思われてしまうでしょう。

5.頼むことを知らない・頼まれたくない

攻める完璧主義と似た感がありますが、社会には、「頼むことを知らない」人も存在します。

おそらく、子供時の親からの養育において、心を閉ざすことを選択、他者と分かち合う経験もなく育ち、結果として、他者に頼むという発想じたい、思い浮かばなくなってしまっているのです。

また、誰かに頼み事をして、その相手から頼み事をされる。
成育歴における協調性のなさから、お互い様の感覚がないのでしょう。

6.皆忙しすぎて頼むことが出来ない

職場全体の雰囲気において、皆が忙しく振る舞っていますと、自分の抱えている仕事を「頼む」ことに尻込みしてしまうのではないでしょうか。
職場全体、他者の忙しい雰囲気に圧倒されてしまうのです。

また、こんなに皆が忙しくしているのに、自分が頼んでいいのだろうかという疑問もわいてくるでしょう。
結局、頼むことを遠慮してしまい、頼めないとなってしまうのです。

皆が忙し過ぎると、皆自分の仕事をこなすことで精一杯で、他者に気遣う余裕もなく、実際頼んでも、断られてしまう確率の方が高いでしょう。

職場が忙しいのは、根本的に人が足らない問題でしょうか、それとも、繁盛しているからでしょうか。

この問題はやがて、経営の問題へと顕在化するでしょう。

頼めない人へのメッセージ(自分に優しく無理をしないこと)

さて、最後に頼めない人、頼み事を出来ない人は、他者優先思考、もしくは、自分に固執している傾向があると思いますが、職場、組織とは、協調性を大切に動くものです。

頼み事が出来ず、仕事を抱え込むと、組織全体の作業に遅れが生じる時もあり、仕事を抱え込んだ責任が問われることもあるでしょう。
また、仕事を抱え込んだ結果、心身の不調を招き、入院、退職に追い込まれるかもしれません。

そもそも、私達人類は助け合うことによって、ここまで進化しました。
助け合うということは、お互いが頼み合うことでもあるのです。
したがって、頼まない、頼み事が出来ないということは、進化の過程においても不自然なことでもあるのです。

いずれにせよ、頼めない人は、なぜ、自分が頼めないのか、心理カウンセリング等より心理分析を行い、行動を改め、生きやすい選択をした方が良いのではないでしょうか。

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