恋愛依存症・期待と支配と絶望と憎しみ

恋愛依存症。
恋愛依存で悩んでいる方は多いでしょう。

私は「自分は自分」、自分主義なので、恋愛依存、他者依存で悩んだことがないので、その苦しみは体感していませんが。

さて、恋愛依存が成立するためには、恋愛依存者を依存させるが側の存在も必要となります。
依存者と依存させる側。
この2人がセットとなって、恋愛依存を形成するのです。

この意味において、恋愛依存の成立は共依存と言ってもいいでしょう。

私は恋愛依存者も依存させる側も、双方、心理的な問題を抱えていると思います。

本日の記事は、主と恋愛依存者について書きますが、依存させる側の問題点としては、依存させることにより自己価値を図る、見捨てる言葉を多用して相手を操作する、そして、最後は背負えなく重たくなった恋愛依存者を捨て去ることに、問題があると思います。

では、今回は「恋愛依存症者」に焦点をあて、書き進めたいと思います。

恋愛依存者の心理感情の流れ

1.恋愛依存者の寂しさより救って欲しい期待
2.恋愛依存者の支配と束縛のはじまり
3.恋愛依存者の絶望
4.恋愛依存者の憎しみ
5.恋愛依存解決の為の心理カウンセリング

1.恋愛依存者の寂しさより救って欲しい期待

恋愛依存症者は心に穴があいているような、淋しくたまらない、とにかく寂しい、このような言葉をよく使われます。

そして、この空虚感、淋しさから助けて欲しいという、期待から、依存させてくれる人を恋愛の対象、寂しさを埋め合わせ、生きるための対象として選びます。

しかし、冒頭に書いたように、依存させる側も、自己の自己価値を上げる為、相手を支配、操作する為等、隠された動機が潜んでいるのです。

2.恋愛依存者の支配と束縛のはじまり

恋愛依存者は、相手を信用、信頼していない傾向があります。

自分を依存させてくれるのであれば、見捨てないのであれば、それだけで良いとも感じておられるかもしれません。
それは、過去、捨てられた経験より、その不安から、確信的に「この人もいずれ自分を捨て去る」等、感じておられるからです。

(恋愛依存者のなかには、親に見捨てられた経験、親の愛を感じられなかった体験をお持ちの方もおられます)。

この見捨てられた経験、そして、愛に飢えた状態は、根源的な不安を形成。
常に恋愛(依存)においては、見捨てられない為の方策ばかり考え
脳が依存する恋愛、一色に染まっていきます。

したがって、不安より相手から捨てられないために、依存をさせる側に対して、様々な見捨てられない為の振る舞いをはじめます。

尽くす、監視、束縛等の支配のはじまりです。

恋愛依存者を受け入れていた側も、最初はこれを激しい愛と勘違いするかもしれませんが、やがて、依存者の監視も束縛、支配も強まり、「見捨てないでコール」が高まり、依存者の自己憐憫の叫びが、徐々に依存させていた側の心理的負荷となってきます。

一言で書くと、依存させていた側が、恋愛依存者を、うとましく思えてくるのです。

このあたりから、2人の関係は支配と被支配、または、支配から逃れようとする関係へと発展していきます。

また、別の例として、恋愛依存者を受け入れてきた側の、相手支配欲求が高まり、見捨てるぞとの脅より、恋愛依存者に対するコントロールが高まり、恋愛依存者の心が振り回されることもあります。

3.恋愛依存者の絶望

関係が悪化する日々が続くと、恋愛依存者を受け入れてきた側も、自己価値を上げるために付き合い、面倒をみる、依存関係に限界を感じはじめます。

行動の監視、支配より窮屈感、自由を奪われた感覚より、恋愛依存者に別れを告げることになるでしょう。

恋愛依存者は、恐れていた現実、「見捨てられること」を、その執拗なしがみつきの行為、行動より、現実化してしまったのです。

4.恋愛依存者の憎しみ

見捨てられた恋愛依存者は、当初は見捨てた相手に対して、相当の憎しみの気持ちを抱くでしょう。
どれだけ依存させる側を憎んでも、関係修復は難しく、憎しみと絶望を交互に強く感じるかもしれません。

しかし、やがては、その憎しみ、怒りも憔悴、力尽きて、うつ病等に陥るかもしれません。

そして、また、立ち直った後、同じような恋愛(恋愛依存)を繰り返し続けるかもしれません。

でも、よくよく、考えましょう。

問題の根源は何であったのか。

自分の恋愛に対する依存嗜癖、自己の存在を恋愛(相手)に委ねる、これらの傾向が強いうちは、あなたは生涯、恋愛依存症者として生きなくてはならないのではないでしょうか。

5.恋愛依存解決の為の心理カウンセリング

私は恋愛依存症が精神疾患かどうかは知りません。
愛着障害という言葉が便宜上あるようですが、WHOは正式に精神疾患と認めているのでしょうか?

いずれにせよ、恋愛依存、依存的行動、依存する側に自分を救ってもらおう、心の穴を埋めてもらおうという動機からの恋愛では、あなたに幸せをもたす恋愛にはならないでしょう。
なぜなら、その恋愛は、あなたのために存在する、都合の良い恋愛だからです。

恋愛依存。自分自身に問題があると感じるのであれば、恋愛依存に強い、心理カウンセリング受診をお勧めします。
診療内科、精神科の出す薬では、恋愛依存症は治りません。

依存なのですら、自分との闘いが必要でしょう。

尚、心理オフィスステラでは、恋愛依存のお話しは聴けても、治療までは行っておりません。
ご了承ください。

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