ムスッとしていた青年時|「近寄るな」という自己防衛のメッセージ
私は中学生の頃から、どこかムスッとした態度で人の中にいる青年でした。
なぜそんな態度をとっていたのか?
一言で言えば、誰にも近寄ってほしくなかったからです。
その結果、大学時代には友人が一人もいませんでした。
おそらく、それが当時の私が望んでいたことだったのでしょう。

親への「防衛」が、いつしか対人関係のパターンに
しかし、私は学校でいじめられたり、嫌がらせを受けたりした経験はありません。
この「ムスッとした態度」は、実は両親に対して示したのが最初でした。
私の両親は、今で言う「過干渉」なタイプでした。
おそらく私は、彼らに向けて「これ以上、私に近づくな」、「私の領域に踏み込むな」というメッセージを、無言の態度で発信していたのでしょう。
人間とは不思議なもので、家庭という最も身近な場所で、親や周囲の人から自分を守るために使っていた方法を、大人になっても無意識のうちに使い続けてしまうことがあります。
これは無意識の学習によるものなのでしょうか、それとも過去の経験が深く根付いた結果なのでしょうか。
いずれにせよ、もし今、あなたが人との関係で「生きづらさ」を感じているとしたら、それはあなた自身の態度や言動がもたらしている可能性について、一度立ち止まって考えてみる必要があるかもしれません。

1.過去の「防衛」を見つめ直し、未来へ繋げる
カウンセリングでは、このような過去の経験を深く振り返ることを大切にしています。
なぜ、あなたは特定の態度で人と向き合うようになったのか。
親子関係の中で、あなたはどのような態度で自分自身を守っていたのか。
そして、その過去の「防衛策」が、今の人間関係の苦しさにどう影響しているのかを、共に探っていきます。
そして、私たちは気づきます。
かつて自分を守るために必要だったその方法は、もう今のあなたには必要ないのかもしれない、と。
それを手放し、新しい関係性を築く時期が来ているのかもしれません。

もちろん、そこまで深く過去を掘り下げなくても、もし自分の態度や言動が人との関係性や日々の生きづらさにつながっていると感じるなら、より生きやすい態度や言動を学び、自分自身を変えていく必要があるでしょう。
すぐに全てが変わるわけではないかもしれません。
しかし、必ず変われると信じてください。
人生に変化の可能性は、何歳になっても存ります。