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親の離婚を望む子供たち:子供(自分たち)の心の安定のために

子供が親の離婚を望むことなど、あるのでしょうか?

この問いに対し、皆さんはどう思われるでしょうか。
多くの方は、「子供は親が離婚や別居という言葉を聞くと、不安や寂しさを感じ、決して親の離婚を望まないだろう」と思われるかもしれません。
私も、そう考えるのが一般的だと思います。

しかし、実際には、親の離婚を望む子供たちも存在することが、カウンセリングを通して明らかになってきました。

その割合は決して多くはありませんが、クライエントの方々が子供時代(特に小学校低学年頃)を振り返り、当時の切実な思いを語られることから、それは紛れもない事実だと確信しています。

では、なぜ子供は親の離婚を望むのでしょうか?

それは、親が子供にとって、「安全な居場所」を奪い続ける家庭で育っている場合が多いのです。

親の離婚を望む子供の心理と家庭の問題

Index
1.夫婦喧嘩が絶えない家庭
2.片方の親が、もう片方の親の悪口を子供に言い続ける家庭
3.なぜ子供は家庭に「心の安定」を求めるのか

1.夫婦喧嘩が絶えない家庭

夫婦喧嘩が絶えない家庭は、子供からすると、両親が顔を合わせるたびに喧嘩が始まり、家が安心できる場所ではなくなってしまいます。

子供は「いつまた喧嘩が始まるだろうか」と常に不安を感じ、日々、両親の様子を窺いながらビクビクして過ごします。

喧嘩が始まれば、両親の怒鳴り声や、物が壊れる音に恐怖を感じ、時には流血の事態を目の当たりにすることさえあります。
このような家庭は、子供にとってまったく心の休まる場ではありません。

このような環境で日々を過ごす中で、子供が心の平安を求めて、「こんなに喧嘩ばかりする親なら、いっそのこと別れてしまえばいいのに」と思ってしまうのも、深く理解できるのではないでしょうか。

2.片方の親が、もう片方の親の悪口を子供に言い続ける家庭

子供にとって、日々片方の親からもう片方の親の悪口を聞かされることは、非常に苦痛で不快なものです。ここにも、子供の心にとって精神的に安全な居場所はありません。

「そんなに悪口ばかり言うのなら、本当に別れてしまえばいいのに」と子供が思っても、何ら不思議ではありません。
親が別れてくれれば、毎日耳にするうんざりするような親の愚痴を聞かされる必要はなくなるのですから。

3.なぜ子供は家庭に「心の安定」を求めるのか

一般的には、子供が親の離婚を望むことは理解しがたいことかもしれません。
しかし、親が子供の安全や心の平穏を脅かすような機能不全な家庭においては、その元凶となっている夫婦間の問題を解消し、心の安定を得たいがために、子供が両親の離婚を望むことがあるのです。

もちろん、子供ですから、両親が離婚した後の経済的なデメリットについては、当然理解はしていません。

彼らが何よりも切実に望んでいるのは、生きていく上で不可欠な「心の安定」と「安心」なのです。

親の激しい喧嘩や、一方的な悪口を聞かされ続ける環境は、子供の心に深い傷を残します。
家庭は本来、子供が安心して休息し、自分らしくいられる「基地」であるべきです。
しかし、そのような環境では、子供は常に緊張し、ストレスを抱えながら生活することになります。

子供が親の離婚を望むという事実は、彼らがどれほど深い苦痛と葛藤の中にいるかを示す、SOSのサインとも言えるでしょう。


彼らにとって、親が別れることは、一時的な不安を生むかもしれませんが、それ以上に、日々の心の重荷から解放され、平穏を取り戻すための、切実な願いなのです。

もしあなたが、このような環境で育ち、親の離婚を望んだ経験があるならば、それは決してあなたがおかしいわけではありません。

それは、あなたが自分の心の安全を守ろうとする、自然な反応だったのです。

そして、今もしあなたが親の立場にあるならば、子供にとっての「安全な居場所」がどうあるべきかを、改めて考えてみる機会となるでしょう。

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