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私はアダルトチルドレン? 診断チェックリストの利用における注意点

「私はアダルトチルドレンでしょうか?」

カウンセリングの現場で、このご質問をいただくことは少なくありません。な
ぜそう思われるのかをクライエントの方にお尋ねすると、多くの場合、インターネットや書籍で目にしたアダルトチルドレンの診断チェックリストを活用した結果、そこに記載されている症状や問題が自分に当てはまるからだとお答えになります。

アダルトチルドレンであるかどうかの判断について

心理カウンセラーとして、アダルトチルドレンであるかどうかの判断について、私の見解をお伝えしたいと思います。

アダルトチルドレンとは、一般的に機能不全家族の中で育ち、その親子関係における養育の問題を主な原因として、生きづらさや様々な問題を抱えている人を指します。

ご自身がアダルトチルドレンであるかどうかを判断する上で重要なのは、まずご自身の幼少期、そして現在に続く親子関係を深く振り返ることです。

診断チェックリストの項目に多く当てはまるからといって、それだけでご自身をアダルトチルドレンだと決めつけるのは、少々早計だと考えます。

まずは、ご自身の親子関係に目を向け、そこに行き過ぎた問題過酷な子育てがあったかどうか、当時の記憶や現在の関係性から紐解いてみましょう。
そして、今抱えている生きづらさや問題が、その親子関係とどのように関連しているのかをじっくり考えることが大切です。

ご自身一人で過去の親子関係を振り返ることが難しいと感じる場合は、心理カウンセリングを通して、心理カウンセラーと一緒に作業を進めるのも良い方法です。

そのプロセスを経て、「私は確かに機能不全家族の出身であり、自分自身がアダルトチルドレンである」と心から納得できることが、何よりも大切なのです。その上で、補助的にアダルトチルドレン診断チェックリストを活用することは、ご自身の理解を深める一助となるでしょう。

Index
1.アダルトチルドレン診断チェックリスト
2.アダルトチルドレン診断チェックリスト利用の「落とし穴」

1.アダルトチルドレン診断チェックリスト

「内なる子どもを癒す」、C.L.ウィットフィ-ルド、誠信書房刊より

・他人の承認や確認を求めますか

・自分の業績を認めるのが苦手ですか

・批判を恐れますか

・何事もやりすぎる方ですか

・自分の強迫的行為で問題があったことがありますか

・完璧を求める方ですか

・自分の人生が順調にいっていると不安になりますか

・危機の真っ只中の方が、ずっと生き生きした気分になりますか

・他人の世話はよくするのに、自分のこととなると無頓着な方ですか

・自分を他から疎外する方ですか

・権威ある人や怒った人と接すると、どきどきしますか

・親密な人間関係に問題がありますか

・強迫的な傾向のある人に惹かれ求めますか

・一人でいるのがたまらないために、特定の人に執着していますか

・自分自身のあるいは他人が表示する感情をしばしば疑う方ですか

・自分の情緒を表現するのが苦手な方ですか

・次のことを恐れますか
⇒コントロ-ルを失うこと、あなた自身の感情、衝突や批判、拒絶または見捨てられること、失敗すること

・リラックスしてものごとを楽しめますか

・強迫的に飲食、仕事、飲酒、薬物、摂取したり興奮、刺激を求める方ですか

・これまでにカウンセリングか精神療法を受け、それでも「何か」が違う、欠けていると思っていますか

・よく無感覚、空虚、あるいは悲しみを感じますか

・他人を信頼することは困難ですか

・必要以上に責任感が強いですか

・私生活と仕事の両方で充実感がないと感じていますか

・罪悪感、力量不足感があり、自尊心が低いですか

・慢性的疲労感、痛み、苦痛を感じる傾向がありますか

・親の家を訪ねて数分間、あるいは数時間過ごすのは苦痛ですか

・人にどう感じているかと聞かれて、どう答えていいか戸惑うことがありますか

・自分が子どもの頃、もしかして不適切な処遇を受けたり、虐待、または、ネグレクトされてきたのではと 思ったことがありますか

・自分が欲しいものを人に請うことに、困難を感じますか

どうでしょうか。これだけ症状があると、誰でも複数個当てはまるのではないでしょうか。

アダルトチルドレンで在るか否かを問わず。

2.アダルトチルドレン診断チェックリスト利用の「落とし穴」

アダルトチルドレンの症状チェックリストを使い、多くの項目が自分に該当した。だから、自分はアダルトチルドレンである。
本当にそうでしょうか?

重要なことは、先にも述べましたが、ご自身が生きづらさを抱えており、それが機能不全家族、つまり親子関係の問題に起因しているか否かです。

たとえアダルトチルドレン診断チェックリストの項目に多く該当したとしても、ご自身の親子関係には特に問題がなかった、あるいはそう認識されているのであれば、その症状はアダルトチルドレンの問題ではなく、他の原因から生じている可能性を考える必要があります。

親子関係以外に考えられる原因としては、以下のようなものが挙げられます。

生まれ持った気質(HSPなど):非常に感受性が高く、外部からの刺激に敏感な方は、親子関係が健全であっても生きづらさを感じやすい場合があります。

学校での出来事:いじめや不登校、友人関係のトラブルなど、幼少期や思春期に学校で経験した辛い出来事が、現在の生きづさに繋がっていることもあります。

社会生活における出来事:職場での人間関係の悩み、仕事のストレス、ハラスメント経験なども、心に深い傷を残し、生きづらさの原因となることがあります。

夫婦関係やパートナーシップの問題:現在のパートナーとの関係性における悩みや葛藤が、精神的な負担となっている場合もあります。

その他のトラウマ体験:事故、災害、病気など、人生で遭遇した衝撃的な出来事が、心に影響を及ぼしている可能性も考えられます。

「私はアダルトチルドレンでしょうか」。

この問いに答えるためには、ご自身の人生を丁寧に振り返り、幼少期に何か辛い出来事がなかったか、そして、それが今の生きづらさにどう影響しているのか、その因果関係を探ることが大切です。そこに、ご自身の問題の根源と、解決への糸口を見つけることができるでしょう。

もし、ご自身の状況についてより深く掘り下げて考えたい場合は、どうぞ心理カウンセラー等にご相談ください。

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