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カウンセリングにおける親子関係の悩み:当オフィスが大切にすること

心理オフィス ステラでは、親子関係に関するお悩みの中でも、「お子様から親御様への悩み相談」に限定してカウンセリングをお受けしております。

ただし、お子様から親御様へのご相談であっても、以下のような内容につきましては、お受けすることができませんので、あらかじめご了承ください。

  • 金銭的な搾取など、親御様からの被害に特化したご相談
  • つきまとい行為など、親御様の行動に関するご相談
  • 親御様への一方的な養育批判のみに終始するご相談
  • 親御様の性格を変えたいというご希望
  • 親御様に謝罪させたい、あるいは親御様への復讐を目的としたご相談
目次

親子関係のカウンセリングにおいて、お受けできないご相談がある理由

1.親御様からお子様へのご相談をお受けしていない理由

当オフィスでは、親御様からお子様への悩み相談をお受けしておりません。
その理由として、私自身の人生経験が大きく影響しています。

私自身、50歳になるまで親が存命でしたが、結局、お互いを深く理解し、分かち合うことはできませんでした。良好な親子関係を築くことができず、家族の温かい思い出や学びを得る経験に乏しい人生を送ってきました。特に23歳頃までの幼少期の記憶が薄く、親との記憶も曖昧です。

このように、私自身が親子関係を良好に築けなかったこと、そして子育ての経験がないため、「親とは何か」という親の立場からの深い理解が不足していると感じています。

そのため、親子関係のカウンセリングは、「お子様から親御様への相談」に限定させていただいております。

また、私自身の幼少期の喪失体験から、カウンセリングをお受けする方の年齢を35歳以上とさせていただいております。

これは、今の私は60歳、若すぎる方々との感覚の相違を考慮してのことです。

2.親御様からお子様への悩み相談について考えること

親御様からお子様への悩み相談は、「家でゴロゴロしていないで働いてほしい」、「正社員として働いてほしい」、「社会の道に反した人生は歩まないでほしい」、「親に対する暴言や暴力をやめてほしい」、「出かける時は連絡してほしい」など、様々です。

そこには、お子様の将来を憂う親御様の心配や不安、お子様への期待(親御様自身の期待も含む)、そして、怒鳴り合いや歪み合う関係性から生じる恐怖も感じられます。

しかし、私は心理カウンセラーである以前に、一人の人間として「個の主体性」を重んじて生きています。これは、カウンセリングにおいても、「個人の主体性を重視する」ことにつながります。

親御様がお子様に対して抱く心配や不安、期待、恐怖といったお気持ちは理解できます。

しかし、お子様ご本人が「変わりたい」と強く願わない限り、有効なアドバイスを提供することは非常に難しいのです。

今、抱えられている親子の問題は、長年にわたって培われてきた親子関係の集大成として表面化していると考えられます。その問題を即効性を持って解決することは、問題の根深さによっては相当難しいのが現状です。

理想的な解決策は、お子様が主体性を持って今後の人生の選択を行い、行動を変え、生き方を変えることです。そして、親御様もまた、お子様に対して温かく支援する態度をとり、理解に徹することです。

しかし、もしその関係性が罵倒、批判、暴力といったものであれば、心理的、物理的に距離を取り、まずはご自身の安全を確保することも必要になるでしょう。

これにより、さらに心理的、物理的な距離が生じ、親子が疎遠になる可能性もあります。
しかし、お互いを傷つけ合いながら同じ屋根の下で暮らすよりも、それがお互いにとって良い結果となる場合もあると私は考えています。

お子様は、一人ひとりが人権を持った存在であり、主体性を持って人生を歩む者です。
それは、ご自身の「選択権」と「自由意志」に基づき、遂行されるべきものです。

2.お子様から親御様への悩み相談について

お子様が親御様に対して抱える悩みは、大きく分けて2種類あると考えられます。

1.過干渉(期待、心配という名の支配)、暴言が絶えないなどに対する、親への対処問題

親御様がお子様を変えることが難しいのと同様に、お子様が親御様を変えることも難しいのが現実です。この場合、まずは親御様と向き合い、ご自身が「してほしくないこと」などを具体的に話し合う必要があります。

それでも親御様が納得せず、干渉や暴言が続く場合は、状況が許すのであれば、距離を取ることが最も大切です

何よりも、ご自身の心の安定を図ることが優先されます。親御様のためにご自身を犠牲にする必要はありません。

もし、親御様が自立したお子様の家に勝手に入ってくるなど、人権侵害にあたるような行動を取られる場合は、公的な組織に相談することも検討すべきでしょう。
(但し、どこまで有効な解決策を示せるかは分かりませんが・・・)。

2.親御様に対して止まらない「憎悪の感情」

幼少期に親御様から言われ続け、心が深く傷ついた経験や、暴力などによって大きな不安を植え付けられた経験があるかもしれません。その結果、親御様に対する怒りや憎悪の感情で、何も考えられなくなってしまう状態に陥ることもあるでしょう。

確かに、幼少期の親御様との関わりによって心が傷つき、人よりも強い不安感を抱いたり、その延長線上で社会不適応、対人不安、引きこもりなどへ発展される方もいらっしゃいます。

たとえ今は親御様と離れて暮らしていても、昔の出来事を思い出すと、怒りがこみ上げてきて心身が怒りに包まれるような感覚を体験されている方もいらっしゃるかもしれません。
過去に親御様から受けたダメージが相当大きいのでしょう。

しかし、この怒りの炎は、ご自身の心身の不調を招いてしまいます。
本当は、過去のことは思い出さず、考えなければ良いのですが、それが難しいのも事実です。
どれほど親御様から理不尽な不安や怒りを植え付けられたとしても、ご自身の人生はご自身で背負っていかなければなりません。

過去のこと、親御様のことを考えないこと。
他に気が紛れること、集中できること、楽しいことなどを見つけて実践し、脳内で過去の親御様との接触を断ち切ることができれば、怒りに包まれることはなくなるかもしれません。

心理カウンセラーとしてお伝えしたいこと

心理カウンセラーとして、親子関係のお悩み相談をお受けする際には、それが私が引き受けるべきカウンセリングのテーマであるかどうかを深く考える必要があります。

結論として、親御様からお子様への悩み相談はお受けしておりません

一方、お子様から親御様への悩み相談については、一部(本記事冒頭に記載)を除き、慎重に検討の上、お受けさせていただきます。

その理由は、冒頭にも述べたように、私自身が親子関係の問題を解決できずに今に至っているからです。

親子関係の問題やその膠着化は、閉鎖的な空間での出来事、関係性の密着性(共依存を含む)、そして過去からの継続的な影響が絡み合い、問題の根が非常に深いことが多々あります。

何卒、ご理解いただけますようお願い申し上げます。

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