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注意アドバイスを受けて不快・怒りを感じる時の心理の問題

なぜ、他者からのアドバイスを素直に受け取れないのか?

日常生活の中で、誰かからアドバイスや注意を受けたとき、素直に受け入れられるときと、なんだか不快感や怒りを感じてしまうときはありませんか?

「同じ内容のアドバイスなのに、なぜこんなにも気持ちが変わるのだろう?」

今回は、私たちが他者からの注意やアドバイスに対して不快感や怒りを感じてしまうときの心の動きについて、心理カウンセリングの視点から考えていきましょう。

Index
1.相手との関係性という問題
2.相手の伝え方という問題
3.受け手である自分自身の問題

1.相手との関係性という問題

まず、最も分かりやすいのが、アドバイスをくれる相手に対する感情です。

率直に言って、苦手な人や嫌いな人からのアドバイスは、たとえ正論であっても受け入れにくいものです。
なぜなら、そのアドバイスが「自分の領域への侵入」のように感じられるからです。

自分の心の中に、相手との間に引かれた見えない境界線があるとしたら、苦手な人からのアドバイスはその境界線を越えてくる行為です。
私たちは本能的に、この侵入行為に対して不快感、反発心、そして時には怒りを感じてしまいます。

逆に、普段から良好な関係性を築けている人、信頼している人からのアドバイスであれば、同じ内容でも素直に受け止められることが多いはずです。

これは、相手が自分の味方だと感じているため、アドバイスを「攻撃」ではなく「善意の助言」として捉えることができるからです。

ただし、例外もあります。

誰からも嫌われている人や、普段から一方的で攻撃的な言動が多い人からのアドバイスは、注意する側にも問題がある可能性が高いです。

このような場合は、真剣に受け止める必要はありません。
相手にせず、受け流すのが賢明な対処法でしょう。
揉めても、相手が変わることはほとんどないからです。

2.相手の伝え方という問題

「あの人とは良好な関係なのに、なぜかアドバイスにカチンときてしまう……」

もし、あなたが相手に対して特に悪感情を持っていないにもかかわらず、不快感や怒りを感じたのであれば、それは相手の伝え方や言葉のトーンに問題があったのかもしれません。

アドバイスは本来、相手を尊重した上で伝えられるべきものです。
しかし、一方的で攻撃的な言い方や、見下すような態度で伝えられると、受け取る側は「攻撃されている」と感じてしまいます。

もし、普段は穏やかな人が、このような攻撃的な伝え方をしてきた場合、その人は一時的に心理的な余裕を失っていたり、何らかのストレスを抱えていたりする可能性があります。

「何か事情があるのかもしれないな」と、少し大きな気持ちで捉えてみることで、必要以上の反発心を抱かずに済むこともあります。
相手の言葉尻だけを捉えて、感情的に反発しないよう注意しましょう。

3.受け手である自分自身の問題

最後に、アドバイスに対する感情は、受け手である私たち自身の内的な状態にも大きく左右されます。

心に余裕がないとき、忙しいとき、あるいは機嫌が悪いときなどは、たとえ相手に悪気がなく、穏やかに伝えられたアドバイスでも、怒りの感情が湧いてきてしまうことがあります。

このときの怒りは、相手ではなく、自分の心の問題である場合が多いです。
アドバイスはあくまできっかけに過ぎず、その根底にあるのは、自分自身の疲れやストレスなのです。

このようなときは、まず自分の感情と向き合ってみましょう。

「今、怒りを感じているのは、相手の言葉ではなく、自分自身の状況(疲れやストレス)が原因かもしれない」と、心の中でつぶやいてみてください。

そして、一度大きく深呼吸をして心を落ち着かせる時間を持ちます。

可能であれば、アドバイスをくれた相手の意図を考え、感謝の気持ちを抱いてみるのも良い方法です。

そうすることで、冷静に物事を受け止められるようになり、無用な衝突を避けることにもつながります。

他者からのアドバイスや注意は、侵入行為や敵対行為のように感じてしまうこともありますが、多くの場合、相手はあなたのためを思って伝えてくれている善意です。

感情的に反発する前に、ほんの少しだけ立ち止まって、アドバイスの意図、そして自分自身の心の状態に目を向けてみませんか?

それが、人間関係をより円滑にし、あなた自身の成長にもつながる第一歩となるはずです。

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