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優しさが裏目に出る時【その優しさが自分を苦しめていませんか】

助けを求められれば、放っておけない。 頼ってくる人の期待には応えたい。
困っている人を、何とかしてあげたい。

そんな優しい気持ちを持っているあなただからこそ、いつの間にか自分がつらくなり、心が傷つくことはないでしょうか。

結論から言えば、それは「あります」。

その苦しみは、あなたの優しさから生まれているからです。

この記事では、特定の誰か(困っている人、助けを求める人など)に対し、優しく接し続けることのリスクと、その心の問題について考えていきます。

優しさと我慢、自己犠牲が引き起こす問題

困っている人や助けたい人に対し、親身に接し、優しくあり続けたいという思いや信念は、とても立派なものです。

しかし、その行為が知らず知らずのうちに自己犠牲となり、やがて人間関係をこじらせる深い問題に発展することがあります。

Index
1.いつでも優しく接し続けることはできない
2.優しさを我慢し続けた先に待つもの
3.優しさが「裏目に出る」その瞬間
4.健全な優しさとは何か?

1.いつでも優しく接し続けることはできない

頼ってくる人に、あなたは常に優しく接し続けることができるでしょうか?

「優しく接し続ける」とは、具体的にどんな行動を指すでしょう。

  • 常に悩みを聞き続ける
  • 困りごとの解決を手伝う
  • お金を貸す

などが考えられます。

ここで、相手の心理を少し考えてみましょう。

一度助けてもらうと、「また頼りたい」という依存的な心理状態になる人もいます。

困っている人は、自分の問題や心の状態を良くしたいという気持ちでいっぱいです。
そのため、「この人なら救ってくれる」と思える相手には、自分の都合を考えず、いついかなる時も助けを求めてくることがあるのです。

しかし、頼られる側であるあなたには、常に親身に対応するだけの心の余裕があるとは限りません。
仕事や家庭の事情を抱え、自分自身が負担を感じている時もあるでしょう。

どれほど優しく接し続けたいと願っても、心や時間に余裕がなければ、その思いを行動に移すことは難しいはずです。

だからこそ、誰かに常に優しく接し続けることは、現実的に不可能だと私は考えます。

2.優しさを我慢し続けた先に待つもの

自分に余裕がない時、無理をしてでも相手の要望に応えようと、親切な振る舞いをし続けると、どうなるでしょうか。

やがて、あなたの心は疲弊し、限界を迎えるでしょう。

その時、あなたは次のような心理状態に陥るかもしれません。

  • 「もう頼ってこないでほしい」と願う
  • 相手との関係を絶ちたいと思う
  • 「自分が消えてしまいたい」とまで追い詰められる
  • 頼ってくる人に対して、怒りや憎しみが湧いてくる

こうした心の状態を招いたのは、あなたの優しさでした。
忙しいのに悩みを聞き続けたり、手伝い続けたり、多額のお金を貸してしまったり。

あなたの優しさという思いが、自分自身をがんじがらめに縛り付けてしまったのです。

一方、助けを求める相手は、もがき続けている状態です。
そのため、あなたがどんな状況にあるかまで客観的に考える余裕はありません。
ひたすらあなたに頼り続け、自分が少しでも楽になることを期待しているでしょう。

しかし、頼られているあなたはもう限界です。

「なぜ、この人のために自分ばかりが苦しまなければならないのか」。

あなたの優しい気持ちは、いつの間にか、自分ばかりが犠牲になっているという苦しみに変わってしまいます。

そして、ついに意を決して「これ以上は無理だ」と告げることになる。

本当は、少しでも重荷だと感じた時に、自分の状況を穏やかに伝え、相手との間に適切な境界線を引けばよかったのですが、それができなかった結果、あなたは精神的に追い詰められ、限界を迎えてしまったのです。

3.優しさが「裏目に出る」その瞬間

優しく接し続けたいという気持ちは、精神的な負荷が大きく、限界を超えると、やがて相手に対する攻撃心に変わってしまうかもしれません。

しかし、もともと優しいあなたは、相手を攻撃するのではなく、「優しく接し続けられなかった自分」を責めてしまうことがあります。
その結果、自分の心を壊してしまうことになりかねません。

これこそが、優しさが裏目に出る瞬間です。

また、今まで頼ってきた人の心理も考えてみましょう。

何があっても優しくしてくれた人から、突然「もう無理」と告げられたら、頼っていた人はどう感じるでしょうか。

「見捨てられた」、「裏切られた」、「放り出された」と、悲しみや理不尽さを感じ、あなたに対して怒りや憎しみを抱く可能性が高いでしょう。

これは、頼っていた人の「完全な勘違い」と言えるかもしれません。

しかし、今まで頼り続けてきた習慣から急に突き放されたため、冷静に物事を振り返ることはできません。

「自分が相手を追い詰めたのかもしれない」と考える余裕もなく、ただ「なぜ見捨てられたのか」という思いで頭がいっぱいになるのです。

これもまた、あなたの優しさが裏目に出た結果です。

優しく接し続けることには限界があり、それを超えると、頼っていた側も、頼られていた側も、双方の心に大きなダメージを与えてしまうのです。

だからこそ大切なのは、頼られることに負荷を感じた時、すぐにその気持ちを穏やかに伝え、自分と相手の間に、安全で適切な距離を取ることです。

4.健全な優しさとは何か?

優しい人は「いい人」だと思われがちですが、それは、その人の優しさがどこから来るかによって変わってきます。

なぜ、そこまでして相手に優しく接し続けたいと思うのでしょうか。

実は、そこまで深くは考えておらず、「ただ断れないだけ」という人もいるかもしれません。

それ以外にも、

  • 好かれたい
  • 感謝されたい
  • 自分の価値を認めてほしい

といった動機からくる優しさもあります。

いずれにせよ、これは人間関係の問題です。

そして、相手のせいにするのではなく、自分の考えや行動に問題はなかったか振り返ることが大切です。同じパターンを繰り返さないよう、より健全な心や思考を育むチャンスなのです。

では、優しさが裏目に出ない「健全な優しさ」とは何でしょう。

心理カウンセラーである私の答えは、

「自分に無理のない範囲で、相手に優しく接すること」です。

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