コミュニケーションの大切さ：「待つこと」が会話の質を高める

November 7, 2018July 22, 2025

人間関係や対人関係を円滑にする上で、最も重要なことの一つは「相手を理解する」ことではないでしょうか。そして、その理解を深めるための最も大切な手段が、まさにコミュニケーション、つまり「会話」です。

コミュニケーションは、私たちが自身の考えや感情を発信する場であると同時に、相手の考えや感情を受け取る場でもあります。
この双方向のやり取りを通じて、私たちは互いの理解を深めていくのです。この点は、多くの方がご納得されることでしょう。

ゆったりとした「待つ余裕」が、コミュニケーションを豊かにする

Index
1.ゆったりとした双方向コミュニケーションの大切さ
 2.会話の質を高め、相手の理解を深める「待つこと」の力

1.ゆったりとした双方向コミュニケーションの大切さ

現代社会はストレスに満ち、時間に追われる日々を送りがちです。
スマートフォンに割く時間も増え、対面でのじっくりとした会話の機会が少なくなっていると感じる方も多いかもしれません。

しかし、コミュニケーションをじっくり、ゆったりとした気持ちで取り組まなければ、相手を理解するという姿勢が希薄になりかねません。
結果として、自分だけが一方的に話し終えてしまったり、相手の真意を確認することなく、早合点や推測だけで終わってしまったりすることもあるでしょう。

これは、初対面の人との間柄だけでなく、夫婦、親子、友人といった「よく知っている」間柄においても、特に注意が必要です。

なぜなら、距離感が近い関係性ほど、コミュニケーションに重きを置かない傾向があるからです。

「聞き慣れているから」、「少し聞けば大体のことはわかる」と、勝手に思い込んでしまうことがあります。
知らない相手には気を遣い、探りながらも丁寧にコミュニケーションを取ろうとする一方で、親しい相手に対しては、その「知っている」ゆえに、丁寧に聞くことを怠ってしまうのです。

しかし、推測に基づくコミュニケーションは、相手が本当に伝えたいこととは別の内容を勝手に判断してしまい、結局「すれ違い」を生んでしまいます。

じっくりと時間をかけ、丁寧にコミュニケーションを取ることは、自分の真意を伝えるため、そして相手の真意を知り、互いが理解し合うために、非常に重要なことなのです。

私たちは皆、常に時間に追われ、デジタルデバイスとの時間も大切にしているでしょう。
それでも、意識的にしっかりと時間を確保し、余裕を持ってコミュニケーションを行うことは大切です。どんなに親しい相手でも、気持ちや状況は時間とともに変化します。伝えたいことがあっても、話せる時間や雰囲気がないと、相手は辛さを感じるかもしれません。

だからこそ、親しい間柄であればあるほど、先入観を捨て、今に焦点を当てて、相手が何を伝えたいのか耳を傾けてあげること、そして、自分自身の今の心境などを話すことも、相手を理解するために不可欠なのです。

コミュニケーションや会話は、相手を理解するだけでなく、話した本人も「分かってもらえた」という安心感を得て、より一層、絆を深めることにつながります。