なぜ私は会社・職場・家でも怒られるの?妹も後輩も嫌い!
なぜかいつも「怒られる私」になってしまうあなたへ
「家でも職場でも、なぜかいつも怒られてしまう」と感じ、人間関係に悩んでいる方はいませんか。
今回は、29歳のY子さんの事例を通じて、過去の人間関係が今の自分にどう影響しているのか、そして、どうすればそのパターンから抜け出せるのかを考えてみましょう。

Index
1.幼少期に形成された「怒られる私」
2.職場でも繰り返される「怒られる私」のパターン
3.職場でよく怒られる問題について

1.幼少期に形成された「怒られる私」
Y子さんは、会社員5年目の中堅社員。
しかし、最近は落ち込みが激しいそうです。
その原因は、彼女の幼少期の体験にさかのぼります。
Y子さんの家庭は、両親と妹の4人家族でした。
子どもの頃から、特に妹に関することで母親によく怒られていたと言います。
- 「妹がしょんぼりしていると、『あなたがいじめたんじゃないの?』と根拠もなく疑われた」
- 「妹と喧嘩して泣かせてしまうと、理由も聞かずに怒られた」
Y子さんは、妹だけが特別に可愛がられていると感じ、「自分は大切にされていない」と、心に深い傷を負いました。
なぜ、お母さんはこれほどまでに妹さんをかばい、Y子さんを厳しく叱ったのでしょうか。

実は、Y子さんのお母さんは、ご自身も次女として育ち、姉からいじめられた経験があったそうです。その過去の経験から、お母さんは無意識のうちに「長女は妹にとって脅威となる存在だ」という思い込みを抱いてしまいました。
お母さんは、長女であるY子さんに、ご自身の姉の姿を重ねて見ていたのかもしれません。
そして、妹に対しては、かつての自分と同一化し、過剰に守ろうとしてしまったのです。
この家庭環境の中で、Y子さんは「私は怒られる存在だ」という自己認識を形成していきました。

2.職場でも繰り返される「怒られる私」のパターン
Y子さんの悩みの種は、家庭だけではありませんでした。
入社5年目、主任に昇進してからというもの、女性の上司から指導の仕方について厳しく叱られることが増えたそうです。
上司からは、「後輩への指導に熱意がない」「成長が期待を下回っている」と指摘され続けていました。
Y子さんは、その理由をこう分析しています。
「実は、年下の女性が苦手なんです。妹と同じくらいの年齢の子たちで、どうも親切にしようという気持ちになれなくて…」

そして、さらにこう付け加えます。
「もしかして、後輩2人と女性上司が裏で私の悪口を言っているんじゃないかって、被害妄想だとは思うのですが…」
この話を聞いて、ピンとくるものがありました。
女性上司と後輩2人の関係は、幼少期の母親と妹の関係にそっくりです。
Y子さんの心は、無意識のうちに過去の人間関係を現在の職場に重ね合わせていたのです。「母親と妹に挟まれて、私は孤立していた」という、あのときのつらい感情が、職場の人間関係の中で再び蘇ってきていたのです。

3.職場でよく怒られる問題について
私たちは、子どもの頃に経験した人間関係を、無意識のうちに「人間関係のモデル」として持ち続けています。このモデルは、良くも悪くも、私たちの人間関係の築き方に大きな影響を与えます。
Y子さんの場合、母親と妹との関係が、現在の職場での人間関係にそのまま投影されていました。
この悪循環から抜け出すためには、まず、過去と現在の人間関係はまったくの別物であるという現実を、心にしっかりと認識させる必要があります。

過去の経験から抜け出すための具体的なステップ
1.現実を知る努力をする
後輩に対して、妹と同じ感覚を抱いてしまうのは仕方がありません。
しかし、後輩は妹ではありません。
まずは、勇気を出して後輩と積極的にコミュニケーションをとり、一人の人間として知ろうと努めてみましょう。
実際に話してみることで、「悪口を言われているのではないか」という疑念も消え、相手への親しみも生まれてくるかもしれません。
2.感情の転移を自覚する
「妹への苦手意識」が「後輩への苦手意識」に転移していることを、客観的に自覚するだけで、感情に振り回されにくくなります。

Y子さんを長年苦しめてきたのは、お母さんが抱えていた長女に対する警戒心でした。
本来、お母さんに向けられるべきだった怒りの感情が、妹さんに向いてしまい、結果として「年下の女性への苦手意識」として、Y子さんの心を縛り続けていました。
過去の傷を癒やし、健全な人間関係を築くためには、まず、この「過去と今のずれ」を理解し、一歩踏み出す勇気を持つことが大切です。
今のあなたは、子どもの頃のあなたではありません。
過去の人間関係に縛られることなく、新しい現実を創り出す力を、あなた自身が持っていることを忘れないでください。
