49-ピアノの公開レッスンで感じた違和感
小学生の頃、ピアノの先生の紹介で、ある「公開レッスン」を見学しに行きました。
それは、男性の先生が複数の子どもたちに対し、聴衆の前でレッスンを行うというものでした。
しかし、見ているうちに、どうにも心がざわついてきたのです。
その原因は、その先生の指導スタイルにありました。
まるで自分の優位性を誇示するかのように、子どもに対して一方的に「この弾き方ではダメだ」などと上から目線で指摘を繰り返す。
見ていて、腹立たしささえ感じました。
まず、公の場で子どもをさらし者のように扱う姿勢に、違和感を覚えました。
子ども本人はもちろん、その親御さんや普段教えている先生方にも、配慮がないように思えたのです。
指導に心がこもっているというよりも、自分の権威を見せつけることが目的のようでした。
たとえどれだけ実績のある先生だとしても、こんなふうに子どもを傷つけるような指導をする人の演奏など、私は聞きたくありません。
音楽は「音を楽しむ」と書きます。
心のない演奏、技術だけが先行する演奏からは、本当の音楽は生まれないと、私は思います。
あの先生のピアノが「音楽」ではなく「音苦(おんく)」であることを、直感的に感じたのでした。
